PCゲーム「ARK:Survival Evolved」のサーバーの設定方法やおすすめの設定について紹介します。
ConoHa for GAMEを使ってARKのサーバーを建てていたのですが、構築したサーバーの設定作業で苦戦してしまいました…。そこで今回は、僕が調べて実際に作業した内容に基づきながら、ARKサーバーに関する情報を詳しくまとめていきます。
今回掲載する内容は以下の条件のもとに執筆しています。
サーバー | ConoHa for GAME(4GB) |
ゲーム | ARK:Survival Evolved(357.9) |
ARKのサーバー設定方法
ARKサーバーの設定ファイルの場所や種類、編集方法などの全体的な情報を掲載します。
設定ファイルが置かれている場所
まずは設定ファイルの場所を確認しておきましょう。ARKサーバーの設定ファイルは次の場所に配置されています。
プラットフォーム | パス |
---|---|
Linux | ShooterGame/Saved/Config/LinuxServer/ |
Windows | ShooterGame/Saved/Config/WindowsServer/ |
上記の通り設定ファイルの場所はLinux・Windows等のプラットフォームによって異なります。
また記載されているパスはARKがインストールされているフォルダから見た相対パスです。今回使用したConoHa for GAMEなら「/opt/ark/」になります。
ARKがインストールされたフォルダを開いてから上記のパスをたどっていくと、設定ファイルがある場所にたどり着くことができます。
ARKサーバーの設定ファイル2種類
ARKサーバーの設定で扱うファイルには以下の2種類があります。
①GameUserSettings.ini | 主要な設定について書き込むファイル。 |
②Game.ini | より細かな設定について書き込むファイル。 |
上記はいずれも「ini(イニ)」という種類のファイルであり、ファイルには<項目>=<値>のペアで1行に1つずつ設定が書き込まれています。
またiniには「セクション」という設定のグループが存在し、セクションの宣言の後に現れる設定内容はそのセクションに属する仕様です。ARKではサーバーに設定が反映されるセクションが次の様に指定されています。
①GameUserSettings.ini | [ServerSettings] |
②Game.ini | [/script/shootergame.shootergamemode] ※セクションが無ければ新しく追加すればOKです |
以上をふまえてARKサーバーの設定を変更する場合は、上記のファイル・セクションを踏まえて編集していく必要があります。
編集するファイルやセクションを間違えるとゲームには反映されませんので注意しましょう。
設定ファイルの編集方法
ARKサーバーの設定ファイルは、例えば以下の要領で編集する事ができます。
- 「FTPソフト」を使ってサーバーにSSH接続する
- サーバー上の設定ファイルをローカルPCにダウンロード
- ローカルPCで編集ファイルサーバーにアップロード
- サーバーを再起動して設定内容をゲームに反映する
FTPソフトには「WinSCP」や「FileZilla」などの無料ソフトがあれば十分です。FTPソフトを使ったサーバーの接続方法については利用しているサービスのマニュアル等を参考になります。
またローカルPCでの編集にはWindows標準の「メモ帳」をはじめ、テキストエディタを使って編集することができます。
ちなみに今回使用したConoHa for GAMEでは、事前にSSH接続を有効化する必要がありました。作業方法については以下のマニュアルが参考になります。
上記以外では「TeraTerm」などのSSHクライアントでサーバーに接続して、コマンド操作でファイルを編集する方法もあります。とはいえコマンド操作には一定の知識が求められることから難易度は高めです。
このため初めてARKサーバーの設定ファイルを編集する場合は、上記の通り「FTPソフト」を使ったアプローチがおすすめです。
サーバーを再起動する方法
設定ファイルを変更したら忘れずにサーバーの再起動も行いましょう。サーバーを再起動しないと設定した内容がARKのゲームに反映されませんのでご注意ください。
サーバーを再起動させる場合は一般的にコマンドラインから操作をします。今回利用しているConoHa for GAMEではコントロールパネルから再起動をかけることができます。
サーバーを再起動する方法はサーバーの構築方法や利用しているサービスによって異なります。ご自身の環境に合わせて、あらかじめやり方を確認しておきましょう。
ARKのサーバー設定一覧
続けてARKの設定ファイルで指定できる項目を掲載します。ここではゲームバランスの調整でよく変更されるオプションのみ抜粋して、それぞれ「①GameUserSettings.ini」「②Game.ini」のファイル別に掲載します。
設定ファイル①:GameUserSettings.ini
項目 | 日本語 | デフォルト値 |
---|---|---|
DifficultyOffset | ゲーム難易度 | 0.2 |
XPMultiplier | 経験値倍率 | 1.0 |
TamingSpeedMultiplier | 恐竜のテイム速度 | 1.0 |
HarvestAmountMultiplier | アイテムの採取量 | 1.0 |
PlayerCharacterWaterDrainMultiplier | プレイヤーの水分消費速度 | 1.0 |
PlayerCharacterFoodDrainMultiplier | プレイヤーの食料消費速度 | 1.0 |
DinoCharacterFoodDrainMultiplier | 恐竜の食料消費速度 | 1.0 |
PlayerCharacterStaminaDrainMultiplier | プレイヤーのスタミナ消費速度 | 1.0 |
PlayerCharacterHealthRecoveryMultiplier | 体力回復速度 | 1.0 |
DayCycleSpeedScale | 一日の経過速度 | 1.0 |
DayTimeSpeedScale | 日中の経過速度 | 1.0 |
NightTimeSpeedScale | 夜間の経過速度 | 1.0 |
ResourcesRespawnPeriodMultiplier | 採取可能物のリスポーン速度 | 1.0 |
ForceAllowCaveFlyers | 生物の洞窟内飛行を有効化 | False |
ShowFloatingDamageText | ダメージテキストを表示 | なし |
ShowMapPlayerLocation | マップでのプレイヤー位置表示 | False |
ServerCrosshair | クロスヘア(十字の照準)を表示する | True |
OverrideOfficialDifficulty | 公式の難易度で上書きする | なし |
ServerPassword | サーバーのログインパスワード | なし |
ServerAdminPassword | 管理者コマンドの実行に必要なパスワード | なし |
設定ファイル②:Game.ini
項目 | 日本語 | デフォルト値 |
---|---|---|
LayEggIntervalMultiplier | 産卵可能になるまでの期間 | 1.0 |
MatingIntervalMultiplier | 交配可能になるまでの期間 | 1.0 |
EggHatchSpeedMultiplier | 卵の孵化速度 | 1.0 |
BabyMatureSpeedMultiplier | 赤ちゃんの成長速度 | 1.0 |
BabyCuddleIntervalMultiplier | 赤ちゃんの世話の間隔 | 1.0 |
BabyCuddleGracePeriodMultiplier | 赤ちゃんの世話の猶予期間 | 1.0 |
BabyImprintingStatScaleMultiplier | 赤ちゃんへの刷り込み時のバフ効果 | 1.0 |
GlobalSpoilingTimeMultiplier | 腐敗までの時間 | 1.0 |
bDisableStructurePlacementCollision | 建造物設置時のコリジョン制限を無効化 | false |
ResourceNoReplenishRadiusPlayers | 資源のリスポーンに必要なプレイヤーからの距離 | 1.0 |
SupplyCrateLootQualityMultiplier | 物資クレート戦利品品質 | 1.0 |
ARKおすすめの設定は?目的別に紹介する
ここからはARKのサーバーに関する設定方法を目的別に紹介します。
①難易度について
難易度を設定する場合は「ゲーム難易度」の項目で行います。
DifficultyOffset=1.000000
OverrideOfficialDifficulty=5.0
上記で設定している難易度は最高倍率であり、実際のゲームプレイにおける推奨設定です。
難易度は出現する恐竜のレベルとドロップ品質に影響しますが、デフォルトでは恐竜のレベルが低いためゲームが進行しづらくなっています。このため難易度をあらかじめ最大にしておくことで強い恐竜が入手しやすくなります。
ゲームスタート直後は厳しくもありますが、進めれば進めるほど強力な恐竜がテイムしやすくなります。このため全体としてはゲームが進行しやすい設定だと言えます。
あわせてOverrideOfficialDifficultyを5.0に設定しておくと、恐竜のLvの最大値が公式サーバーと同じにできます。いずれも参考にゲーム難易度を設定してみましょう。
②取得できる経験値を上げる
ゲーム内で取得できる経験値を上げる場合は「経験値倍率」の項目で設定します。以下は経験値倍率を3倍にした例です。
XPMultiplier=3.000000
標準の経験値倍率ではゲームの進行がかなりスローです。およそ2.0~5.0を目安に経験値倍率を設定しておくのがおすすめです。
③テイム速度を上げる
恐竜のテイム速度を上げる場合は「恐竜のテイム速度」を設定します。以下はテイム速度を5倍に設定した例です。
TamingSpeedMultiplier=5.000000
テイム倍率は恐竜を手なずけるのにかかる時間に影響しますが、標準の設定ではテイムに時間がかかりすぎてとにかく辛いです。
このためテイム倍率は2.0~5.0を目安に、あらかじめ標準以上の設定にしておくのがおすすめです。
④アイテムの採取量を上げる
アイテムの採取量を上げるには「アイテムの採取量」の項目を変更します。
HarvestAmountMultiplier=2.000000
ゲームの作業効率を上げるために効果的な設定ですが、とはいえ設定を上げすぎると重量オーバーになりやすくなる、あるいはゲーム性が損なわれるデメリットがあります。設定の上げすぎにはご注意ください。
上記の通り2.0あたりから始めてみて、お好みで調整していくのが良いでしょう。
⑤ブリーフィングに関する調整
ここでは恐竜を子供から育てる「ブリーフィング」に関する設定を紹介します。
卵を産むサイクルを速くする
恐竜が卵を産むサイクルを速くするには「産卵可能になるまでの期間」「交配可能になるまでの期間」の2つを設定します。
LayEggIntervalMultiplier=0.05
MatingIntervalMultiplier=0.05
上記2つを設定すると、恐竜が交配を行い卵を産むまでの時間が短縮され、より速いサイクルで卵を産むようになります。
恐竜に沢山の卵を産ませたい場合に効果的な設定です。基本的に値が小さければ小さいほど早く繁殖しますが、値が小さすぎると卵が大量発生してサーバーが重たくなる原因になります。設定の下げすぎにはご注意ください。
卵を早く孵化させる
恐竜の卵を早く孵化させるには「卵の孵化速度」を設定します。
EggHatchSpeedMultiplier=10
恐竜の種類によっては卵の孵化にとても長い時間がかかります。快適にプレイするうえでも、あらかじめ10~100の値を目安に設定しておくのがおすすめです。
赤ちゃんの成長スピードを早める
恐竜の赤ちゃんが成長するスピードを早めるには「赤ちゃんの成長速度」「赤ちゃんの世話の間隔」を設定します。以下は成長速度を100倍にして、成長速度に合わせて世話の間隔を調整した例です。
BabyMatureSpeedMultiplier=100.000000
BabyCuddleIntervalMultiplier=0.02
ブリーフィングに関する情報は以上です。やりこみの側面が強いゲーム要素なので、ある程度ゲームに慣れてきてから調整すると良いでしょう。
⑥一日の時間を長くする
ARKで一日の時間を長くするには次の様に設定できます。
DayCycleSpeedScale=0.5
NightTimeSpeedScale=4.0
まず「一日の経過速度」を0.5に、続けて「夜間の経過速度」を4.0に設定します。
以上の様にすると一日の経過速度がデフォルトの半分になり、結果としてゲーム内の一日が120分になります。あわせて「夜間の経過速度」を上げたため、夜間がより短くなります。体感としては約15分程度で夜間が終わります。
一日を長くする場合は夜の時間もあわせて調整するのがポイントです。いずれの設定もお好みに合わせて調整してみましょう。
⑦資源を早く復活させる
ワールド上に生成された岩や木などの資源の復活を早めるには、次の2つを組み合わせて設定します。
設定①:採取可能物のリスポーン速度
1つ目は「採取可能物のリスポーン速度」の設定です。デフォルト値は1.0ですが、最小値の0.01を指定しておきます。
ResourcesRespawnPeriodMultiplier=0.01
設定②:資源のリスポーンに必要なプレイヤーからの距離
2つ目は「資源のリスポーンに必要なプレイヤーからの距離」の設定です。こちらも同じく最小値である0.01を指定しておきます。
ResourceNoReplenishRadiusPlayers=0.01
以上が組み合わさることでプレイヤーから少しでも離れた資源はすぐに復活するようになります。例えば「一つの岩を壊してから、もう一つの岩を壊している間に、はじめの岩が復活している。」といった具合です。
建築などを目的に素材集めを効率的に行いたい場合に効果的な設定です。復活が早すぎると感じた場合は0.01~1.0の間で調整してみましょう。
⑧食べ物が腐る時間を長くする
生肉や植物などの食べ物が腐るまでの時間を長くするには「腐敗までの時間」を設定します。以下はデフォルトの6倍を設定した例です。
GlobalSpoilingTimeMultiplier=6.000000
ARKの食べ物は時間経過で腐敗します。食料保存庫を使えば腐敗までの時間を延ばすことも出来ますが、とはいえ腐敗は止めることはできません。
ARKのサーバー上ではプレイヤーがゲームをしていない間も常に時間が経過します。ゲーム内の食べ物をできるだけ出来るだけ長く保存したい場合は設定しておきましょう。
⑨建築アイテムを設置しやすくする
建造物の設置条件をゆるめる場合は「建造物設置時のコリジョン制限を無効化」を有効化します。ARKの設定ファイルでは次の様にするとサーバーに反映できます。
bDisableStructurePlacementCollision=true
ARKではオブジェクトや地形が干渉する場所に建築アイテムを設置することは出来ません。しかし上記を有効にすると制限が無効化され、より多くの場所にアイテムが設置できるようになります。
建築の幅を広げるために効果的な設定ですが、一方では極端に地形にめりこませてしまうと判定が埋まって回収や解体ができなくなるリスクもあります。いずれのメリット・デメリットをふまえて設定を検討しましょう。
⑩クレートのアイテム品質を上げる
供給クレートのアイテム品質を上げるには「物資クレート戦利品品質」の項目を設定します。以下はデフォルトの2倍に設定した例です。
SupplyCrateLootQualityMultiplier=2.000000
上記を設定するとマップ上に出現するクレートに入っているアイテムの品質が向上します。できるだけ良いアイテムを入手したい場合は設定してみましょう。
⑪マップに現在位置を表示させる
マップ上にプレイヤーの現在位置を表示させるには次ように設定します。
ShowMapPlayerLocation=True
デフォルトでは地図上に自分の位置が表示されることはありません。ゲーム内で迷子にならないためにも、あらかじめ設定しておくのがおすすめです。
⑫ダメージテキストを表示させる
戦闘中のダメージテキストを表示させるには「ダメージテキストを表示」を有効化します。設定ファイルでは次の様に記載します。
ShowFloatingDamageText=true
上記を有効化すると恐竜に攻撃した際のダメージ量がテキスト表示される様になります。
現在の攻撃力が数値で分かる様になるため、恐竜との戦いがしやすくなります。ゲームを始める前にあらかじめ設定しておくのがおすすめです。
ARKのサーバー構築や運用に
今回はPCゲーム「ARK:Survival Evolved」におけるサーバーの設定方法をまとめて紹介しました。
いずれもARKサーバーの構築や運用でご活用いただきたい情報です。
今回は以上になります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。